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第2回 浜松楽器博物館バスツアー
旧臘12月16日の想楽舎主催 第2回浜松市楽器博物館見学ツアーは、館のご好意をいただき、昨年試奏した「ブランシェよ 再び」と参加2度目の方もいて成功裏に終了しました。筆者は事前のバス内レクチャーと館内での解説を担当しました。
最初、所蔵クラヴィコードからの試奏では小さい音に聴覚が冴え、試奏者が次第に適切なタッチになっていく予期せぬミニ・公開レッスン風景となりました。また、昨年対面できなかった館の目玉楽器のひとつ「ワルター&サン(厳密には独語でヴァルター・ウント・ゾーンでしょうが英語とします)」では、ダンパー開放指示のあるソナタ≪月光≫冒頭で試奏者が不安になる光景も印象的でした。「ワルター&サン」は、初代ワルターが息子とともに世紀の代わるころ製品につけた銘です。
事前レクチャーのメイン・テーマは、ワルターに因み『モーツァルト周辺の初期ピアノ』。
当時のウィーンでは、プレルツンゲン・タイプとならびコーバーの突き上げシュトス・アクションが同等の選択肢のひとつであったこと。1781年のXマス・イヴにおこなわれたClementiとの御前競演の曲目と使用楽器の推定。1778年、母親と死別したときのa mollソナタK.310を初演したとされるスクェア・ピアノのことなどプリント資料に書かれています。
車内事前レクチャーの追補
配布プリントについて言い残したことをこのブログを借りてお伝えします。

K.457の部分譜
配布プリント譜例K.467スコアの上にあるK.457の部分譜は、c moll ソナタの緩徐楽章。聴衆が「呆気にとられた」とWolfgangが手紙に書いたルバート奏法を譜面化したもの とされる。
譜例Ex.2.8/2.9も同じ楽章の部分譜。この曲は、ピアノでのみ対応可能な強弱記号が詳細に記入されていることでも知られ、献呈した弟子の Trattner(トラットナー)夫人向けと一般向け(NMA版)のほか、強弱指示の殆どない装飾譜も残され手稿は3種類ある。
そのため、3種類のカデンツが用意されて数字付低音解読譜の書かれたクラヴィーア協奏曲ハ長調K.246も貴重な曲例だが、K.457は当時即興的になされた装飾演奏の音型を比較でき、その奥義を垣間見ることのできるありがたい例。
館内でウイーン・ピアノ試奏中、ある方からいただいたsenza sordinoとcon sordinoについての質問とその説明は、全員がそばに居なかったので再録します。
Beethovenが初めてPedなど「ペダル記号」を多数指示した曲は≪ヴァルトシュタイン≫。それ以前、例えば《月光》第1楽章ではダンパー開放(現代ピアノでは右ペダル・オン)は楽語 senza sordinoで指示しました。ダンパー使用(現代ピアノでは右ペダル・オフ)はcon sordinoで指示したのです。混乱しないように。
館収蔵のチェンバロとクラヴィコードについては、拙著『著名博物館・コレクション別 チェンバロ クラヴィコード オリジナル楽器便覧(下巻)』をご参照下さい。
最初、所蔵クラヴィコードからの試奏では小さい音に聴覚が冴え、試奏者が次第に適切なタッチになっていく予期せぬミニ・公開レッスン風景となりました。また、昨年対面できなかった館の目玉楽器のひとつ「ワルター&サン(厳密には独語でヴァルター・ウント・ゾーンでしょうが英語とします)」では、ダンパー開放指示のあるソナタ≪月光≫冒頭で試奏者が不安になる光景も印象的でした。「ワルター&サン」は、初代ワルターが息子とともに世紀の代わるころ製品につけた銘です。
事前レクチャーのメイン・テーマは、ワルターに因み『モーツァルト周辺の初期ピアノ』。
当時のウィーンでは、プレルツンゲン・タイプとならびコーバーの突き上げシュトス・アクションが同等の選択肢のひとつであったこと。1781年のXマス・イヴにおこなわれたClementiとの御前競演の曲目と使用楽器の推定。1778年、母親と死別したときのa mollソナタK.310を初演したとされるスクェア・ピアノのことなどプリント資料に書かれています。
車内事前レクチャーの追補
配布プリントについて言い残したことをこのブログを借りてお伝えします。

K.457の部分譜
配布プリント譜例K.467スコアの上にあるK.457の部分譜は、c moll ソナタの緩徐楽章。聴衆が「呆気にとられた」とWolfgangが手紙に書いたルバート奏法を譜面化したもの とされる。
譜例Ex.2.8/2.9も同じ楽章の部分譜。この曲は、ピアノでのみ対応可能な強弱記号が詳細に記入されていることでも知られ、献呈した弟子の Trattner(トラットナー)夫人向けと一般向け(NMA版)のほか、強弱指示の殆どない装飾譜も残され手稿は3種類ある。
そのため、3種類のカデンツが用意されて数字付低音解読譜の書かれたクラヴィーア協奏曲ハ長調K.246も貴重な曲例だが、K.457は当時即興的になされた装飾演奏の音型を比較でき、その奥義を垣間見ることのできるありがたい例。
館内でウイーン・ピアノ試奏中、ある方からいただいたsenza sordinoとcon sordinoについての質問とその説明は、全員がそばに居なかったので再録します。
Beethovenが初めてPedなど「ペダル記号」を多数指示した曲は≪ヴァルトシュタイン≫。それ以前、例えば《月光》第1楽章ではダンパー開放(現代ピアノでは右ペダル・オン)は楽語 senza sordinoで指示しました。ダンパー使用(現代ピアノでは右ペダル・オフ)はcon sordinoで指示したのです。混乱しないように。
館収蔵のチェンバロとクラヴィコードについては、拙著『著名博物館・コレクション別 チェンバロ クラヴィコード オリジナル楽器便覧(下巻)』をご参照下さい。
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